皆様こんにちは。TOSHIXXXです。
今年も残り少なくなってまいりました。今日から3連休。皆様大掃除やら年賀状の作成等でバタバタされてるのではないでしょうか(>_<)。私は障子が剥がれてきたのでまた張替え。これで4つの内3つ目でございます(苦笑)。
では春からご紹介させていただいていたビジュアル系の名盤紹介コーナー、今回が最終回でざいます。本日は格付けチェックでもお馴染みの、ガクトさんが在籍していたことで知られるMALICE MIZER(マリスミゼル)の「merveilles」(1998年3月18日発売)をご紹介したいと思います!!
1.伝説の名盤!!
MALICE MIZERが結成されたのは1992年。
メンバーチェンジが激しいグループでしたが、世間的にブレイクしていたのは何と云ってもガクトさん在籍時の第2期。この間の1997年に待望のメジャーデビューを果たしました。
最初はビジュアルのインパクトがあまりに強くて、何じゃこのイロモノバンドは!!ビジュアル系も落ちるとこまで落ちたな・・・。なんてことを勝手に思っていたんですが、楽曲を聴いてみるとそのクオリティの高さにびっくり( ゚Д゚)。
クラシックをベースにしながらも、上手く歌謡曲テイストも取り入れてJPOPファンでも聴けるキャッチ―さを持っている。今の衰退したビジュアル系のことを思えば、本当にこの時期は黄金期だったんだな・・・。感慨深くもなってしまいます。
諸事情があってガクトさんがこのメジャーデビューアルバム発売後に脱退してしまい、メジャー流通のガクトボーカルはこのアルバムだけになってしまいました( ;∀;)。ただそれでも、今もビジュアル系の歴史に残る名盤であることは間違いありません。では早速詳しくご紹介していきましょう!!
2.「merveilles」全曲ミニ紹介
① ~de merveilles
映画のオープニングのような臨場感のあるSE。ここから私達は驚異の世界にいざなわれていくことに・・・。
② Syunikiss~二度目の哀悼~
イントロからこのバンドの独自性が全開。曲の構成もプログレ的です。シンセとストリングスを効果的に使用し、ガクトさんのロマンティックなボーカルが乗ることにより、男版宝塚歌劇といった中世感がいかんなく表現できています( ^)o(^ )。
③ ヴェル・エール~空白の瞬間の中で~
メジャーデビューシングル。キャッチ―という感じではないですが、美しいメロディラインが耳に心地よい。
ただこのシングルは音源だけで聴くより、映像と併せて観ることをおススメいたします。今の時代だったらVR等を駆使してもっと圧倒的な作品になっていたかもしれませんね・・・。
意外と彼等の曲は打ち込み主体のモノが多くて。この曲はその典型例だと思います。秘密結社イルミナティ、いいですね。フリーメイソンと異なり、実在するのかどうかは未だに議論の中ですが、いかにも彼等らしいモチーフだと感じます。
⑤ Brise
イントロのカッティングギターが軽快♬このアルバムの中では異彩を放つ、実に爽やかな一曲です。でもだからと言ってZARDの「揺れる想い」みたいなテイストかと云えばそうではなく。この曲を聴きながら夏の街を闊歩している少女がいたら、やっぱりその子は不思議ちゃんです(笑)。
⑥ エーゲ~過ぎ去りし風と共に~
前半のクライマックス。その名の通り、ギリシアの美しいエーゲ海の情景が浮かぶミディアムテンポ曲です。
彼等のスロー系の曲の特徴として挙げられるのが、浮遊感。X JAPANのウェットなバラードとは対極にある、大陸的なサウンドです。
こういう曲が作れるセンスがあったということは、やはり今なら世界でも活躍できるバンドじゃなかったのかな。そんな思いもあり、やはり彼等は少し出てくるのが早過ぎた才能であったという気がしますね・・・。
⑦ au revoir
2nd シングル。後述します。
⑧ Ju te veux
このアルバムの打ち込み系ではナンバー1のクオリティ。オフボーカルならクラブとかで流れていてもそんなに違和感がない気がしますね(*^^*)。
⑨ S-CONSCIOUS
ここら辺で箸休め。SEです。
⑩ Le Ciel
後にシングルカットされたバラード曲。フランス語で「大空」を意味するタイトル通り、浮遊感が半端ない一曲です。
シングルバージョンは少し余計なものを足し過ぎている印象があり、私個人としては断然こちらのオリジナル版を推しです(*^^*)。
⑪ 月下の夜想曲
3rd シングル。
この時期に一番多くTV出演をしており、彼等の代表曲です。人形が主人公の歌詞、そしてシアトリカルなパフォーマンスも含めてとにかく個性的!!インパクトがあります。なおPVでは皆さん何度も宙に浮いてはります(笑)。
⑫ Bois de merveilles
ラストまで特濃の世界が続きます。ガクトさんのボーカルも最後まで絶好調!!まあ本作はロックと云うよりオペラやミュージカルの一種と考えた方がいいのかもしれませんね・・・。
3.「au revoir」徹底紹介
ではまずこの曲の歌詞をご紹介です。
「au revoir」(作詞:Gackt.C / 作曲:mana)
いつも二人分の響く足音が続いてた道で
枯果ててしまった街路樹達が
大きくなった歩幅を気付かせた
肩にすれ違う小さな落ち葉が
また空に戻って
そんな吹き荒ぶ風さえも今はなぜか愛しくて
そっと微笑んでいた
窓辺にもたれる見慣れた姿が
陰る陽射に映し出されて消える
溢れる思いにつぶやいた言葉は
「せめて夢が覚めるまで・・・」
もっと
あなたを抱きしめ眠りたい
優しい記憶に変わった今でさえも
この腕で抱きしめ眠りたい
出会った頃の二人のように
窓辺にもたれてざわめく並木に
そっとつぶやく同じ言葉をもう一度
あの時の姿が見えなくなっても
せめて夢の中だけは
もっと
あなたを抱きしめ眠りたい
優しい記憶に変わった今でさえも
この腕で抱きしめ眠りたい
出会った頃のあの日のままの
二人のように
あなたを抱きしめ眠りたい
この腕で抱きしめ眠りたい
最高ですね!!今でも大好きな一曲でございます( ^)o(^ )。
ビジュアル系の曲の魅力って、一つは死を始めとするダークなテーマ、そしてもう一つは圧倒的な美しさ。この曲は正に後者を代表していますね。
歌詞もどちらかと云えば平易な言葉で書かれていて、メロディーラインもクセのない歌謡曲テイスト。でも変に小細工をしないでリスナーの耳に残る物を作るって、本当に実力を持つアーティストでないと難しいと思うんです。
この一曲を聴くだけで彼等がただものでないことが(音源だけでも)充分伝わって参ります。このシングルが発売されたのが12月でして。だから冬に聴きたいビジュアル系(笑)。
後はこの曲のボサノババージョンがシングルには収録されているんですが、こちらも必聴でございますよ( ^)o(^ )。
4.あのままのメンバーで続けていたら世界が見えていたかも・・・
このアルバムはオリコンチャート2位で30万枚を越える大ヒット。横浜アリーナでもライブを敢行し、ガクトさんの脱退が無ければ今頃このバンドはどこまで大きくなっていたのかな。今でもそんなことを考えることがあります。
当時ビジュアル系四天王というのがあり、彼等もその一角を占めていたんですが、総合的に観て一番アーティストパワーを持っていたのはMALICE MIZERだった。特に海外で成功するという視点で云えば、一番近い所にいた気がするんです。
ガクトさんの脱退に至る真相は世間で言われている程単純なものではなかったと思いますし、ドラムのKamiさんが急死されたのも本当に惜しまれます。(そんなに目立っていませんが、このアルバム全編を通してビジュアル系トップレベルのドラミングを披露してくれています)ただ決して空中分解してしまう未来だけが、彼等に用意されていた訳ではないと思うんですよね・・・。
オリジナリティとは何か。質の高い作品とは何か。極言すれば表現とは、芸術とは何なのか。
これらの疑問に対する答えが沢山このアルバムには詰まっている、そう感じます。何かを作りたい、表現したいと考えている方、特に若い皆さんには一度是非手に取っていただきたい。そう断言できる大傑作「merveilles」のご紹介でございました!!
それでは今日はこの辺で。これから天気も回復するようなので、皆様良い休日を☀