奇跡のバンド BUCK-TICK~刺さるコンテンツ(8-4)

 皆様おはようございます!TOSHIXXXです。

 いきなりですが、皆様はもしあの世へ持っていきたいアルバムベスト3を選んでくださいと言われたらどうしますか?私の場合はもう決まっております。

 まず第3位は先日このブログで全曲ミニ紹介をしたディルアングレイの「GAUZE」(1999年)、2位はZARD最大のヒットアルバム「揺れる想い」(1993年)。そして気になる第1位はというと・・・。

 そのアルバムこそ、今回ご紹介したいBUCK-TICKの最高傑作「darker than darkness ‐style93‐」(1993年6月23日発売)です。このアルバム以上に影響を受けた作品には未だ出会えていない、それ位私にとっては思い入れの深い一枚です。ただタイトルが長いので以下DTDで統一させていただきます(''◇'')ゞでは早速ご紹介していきましょう!!

 

 

1.当時のBUCK-TICKを巡る状況

 このアルバムが出た1993年、残念ながらBUCK-TICK人気はピークを過ぎ、緩やかに下降しておりました( ;∀;)

 このアルバムは最高位オリコン2位、総売り上げは約21万枚と現在の基準で見れば充分ヒットしてるんですが、当時はYOSHIKI率いるX JAPANの人気絶頂期。彼等が「Jealousy」(1991年)でミリオンセラーを記録して完全にビジュアル系の盟主となっておりました。

 それ故、BUCK-TICKはすっかり目立たない存在になってしまっており、このアルバムも正直そんなに話題になった訳ではありません。ただこの時のBUCK-TICKは完全に円熟期に入っていました。いつしか人気先行から玄人受けする実力派バンドへ変貌を遂げていたのです。

 その証拠にこのアルバムでは演奏技術の高さと、デビュー時とは比較にならない位に歌唱力を増した櫻井さんの熱いボーカルが存分に楽しめます( ^)o(^ )。

 

2.私とDTD

 この1993年当時、私は丁度高校3年生。正に大学受験に向けた勉強真っ盛りの頃でした。

 ただ私は勉強より小説執筆にハマってしまっており、今と変わらずどうしようもない17歳でございました(笑)。その頃は今と違って小説がすいすい書け、本当に楽しかったんです。私なりの青春時代でしたね~。

 そしてこのDTDのアルバムツアーこそが私の人生初ライブでございました( ^)o(^ )。ただ実はこのツアー、何とアルバム発売前から始まっており、大阪(大阪城ホール)の時もまだアルバムが出てなかったんです( ゚Д゚)。

 したがって知っている曲が先行シングルの「ドレス」だけだったという(笑)。人生初ライブにして実にマニアックな経験をしたわけです。

 他にもこれは後述しますが私の部活の顧問の先生が亡くなり、その日はお通夜だったんですが参加したライブでもありました。

 そんな訳で色々と今でもよく覚えているアルバムです。では、いつもの全曲ミニ紹介とシングル「ドレス」と「die」については歌詞もご紹介していきたいと思います。

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3.DTD 全曲ミニ紹介

 

1.キラメキの中で・・・

 何とレゲエをベースにした今井さんの意欲作。ただ音は重く、歌詞もいきなり”ケロイドの僕はドレスを翻し”と櫻井さんの狂気の世界が炸裂!!このアルバムの暗く妖しい世界の扉を開く一曲です。

 

2.DEEP SLOW

 スローテンポの1から一転、激しく疾走する2曲目です。ただアップテンポでも音は重い!!多分このアルバムの時が一番重低音が響いていたと思います。

 

3.誘惑

 このアルバムは死への憧れがテーマになっています。この曲はギターの星野さん作曲の隠れた名曲です。少しキャバレーソングを思わせますね。この当時星野さんはギター兼キーボードを担当していて、ライブ時でもこの曲でキーボードを演奏していました。

 

4.青の世界

 ”青の世界へようこそ”櫻井さんの魔王のような台詞から始まる、こちらもアップテンポな一曲です。

 

5.神風

 今井さん作詞曲。ただ今井さんにしては珍しくこの歌詞はよく分かります(笑)。"1999年にはどうやら神風が吹いたらしい”なるほどね。え?全然分からない?ああアナタは21世紀生まれの若い方なのですね・・・。

 これは言わずと知れたノストラダムスの大予言。結局1999年7月には何も起きませんでしたよね( 一一)。ただこの「神風」(要は核戦争の爆風のことですよね)はこう続きます。

”それは多分神様の気まぐれか 超一流のハッカーの仕業だ” これって正に現在進行形のクライシスですよね!?隣国の自称神の独裁者とサイバーテロが、核の惨事を引き起こさないことを祈るばかりです。

 

6.ZERO

 ダークな今作の中でも比較的明るい感じの一曲。ラストのアルペジオも開放感を感じさせます。でも歌詞は”俺はもう沈む 唄うことをやめた獣 帰る家もない”と櫻井さんの苦悩が満載です( ;∀;)

 

7.ドレス

 先行シングル。後のコーナーで詳しくご紹介します。

 

8.LION

 冒頭の櫻井さんの唸り声は正にダークなライオン。ミディアムテンポで円熟した演奏とボーカルを楽しめる一曲です。

 

9.Madman Blues ーミナシ児の憂鬱ー

 今回は今井さん作詞曲が2曲。「神風」と違ってこちらは全編に渡って意味不明の今井ワールドが全開です(苦笑)。

 特にラスト、櫻井さんが読経のようにボソボソと”孤児(ミナシゴ)達が嗤っている”とバックコーラスする中、”ウェルカムトゥーマイテリトリ~!!”と今井さんがシャウトする場面は最高にクレイジー。必聴ですよ!!

 

10.die

 シングルカット曲。こちらも後のコーナーで詳しくご紹介します。

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4.「ドレス」徹底紹介

 ではまずこの曲の歌詞をご紹介しましょう。

 

「ドレス」(1993年5月21日発売 作詞:櫻井敦司 作曲:星野英彦)

 

 鏡の前で君とまどろむ 薄紅の指先 

 その手は不意に弱さを見せて 唇を塞いだ

 あの日君と約束を交わした 今は二人 思い出せずに

 退屈な歌に耳を傾け 窓の外見つめる 

 僕はドレスをまとい 踊って見せよう

 狂ってるかい? 教えて・・

 いつか風にさらわれてゆくだろう 

 今は二人 思い出せず

 僕はなぜ 風のように雲のように 

 あの空へと浮かぶ 羽がない? なぜ

 星のように月のように全て包む 

 あの夜へと沈む 羽がない? なぜ

 忘れないで 愛溢れたあの日々 

 君の顔も想い出せずに

 いつか風にかき消されてゆくだろう 

 今は二人思い出せず OH

 僕はなぜ 風のように雲のように 

 あの空へと浮かぶ 羽がない? なぜ

 星のように月のように全て包む 

 あの夜へと沈む 羽がない? ああ

 僕はなぜ 風のように雲のように

 あの空へと浮かぶ 羽がない? なぜ

 この愛もこの傷も懐かしい 

 今は愛しくて痛み出す・・・ああ

 

 本当にこの曲は儚く美しい!!星野さんのバラードの最高傑作と言われていますが改めて見てみると、櫻井さんの感性溢れる歌詞も鳥肌モノですね( ;∀;)。VIVA!!

 結構ファンの間では人気の曲で、TMレボリューションの西川貴教さんを始め、多くのアーティストもカバーしています。先日ご紹介した「惡の華」のラスト「KISS ME GOOD-BYE」で表現しきれなかったBUCK-TICK独自の切なさを、この曲では数段上のレベルで表現できていますね( ^)o(^ )

 この曲だけは先行シングルで知ってたんですが、先ほどもお話ししたとおり高校の部活の顧問の先生の急死とライブが重なったんです。

 本当はライブに行くどころではなかったのですが、次の日の葬儀にも参加するため、同じクラブのメンバーやOBにも言われて、もう一人の同じ部活のBUCK-TICKファン(今もです!)の友人と二人でライブに行きました。

 丁度この「ドレス」が顧問の先生とお別れの曲のような気がして、とても切なかったです。正直今でいう窓際族の先生で(職員室に机がありませんでした)自習室の管理とかしてたんですが、内向的な僕を部活(少し珍しい古武道です)に誘ってくれた人でした。

 味がある人で、時々突っ込まれながらも皆からは愛されていました。翌日の告別式ではOB以下皆が、涙に暮れました( ;∀;)。そんな思い出が詰まった一曲「ドレス」です。

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5.「die」徹底紹介

 ではもう一曲、こちらは後でシングルカットされたんですが「die」をご紹介しましょう。この曲こそ私の人生で最も刺さったと言っても過言ではない一曲です。

 

 「die」(1993年10月21日発売 作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿

 

 僕は両手を広げて 全てを許したいと願えば 

 君は空から降り立つ

 真実なんてものは 僕の中には何もなかった 

 生きる意味さえ知らない・・・何にも

 あー 星が海泳ぐみたい あー 楽しげに誘うように 

 夜は優しくて

 あの雲さえ越えていく キラメクまでこの夜に 

 どこまでまだ飛べるだろう?

 疲れ果てたこの体 死ぬまで羽ばたいていく

 ここでお別れしようよ 悲しいことは何もないはず 

 軽く最後のキスして アーオゥ!!

 楽しい夢は終わる まぶたを閉じて永遠を感じて 

 肌に死というぬくもり・・・夢じゃない

 あー 目覚めには遠く深い あー ここはどこ 僕誰なの? 

 僕は突き抜ける

 体はもうちぎれそう この声もこの愛も 

 遠く消える青い星 見つめてはうつむいた

 さよなら 全てのものよ・・・

 もう二度とは帰れない 生まれてきた あの海へ 

 遠く消える青い星 見つめてはうつむいた

 さよなら 全てのものよ”

 

 当時、一部のクラスメイトにノートで回覧していた小説の最後のページに、いつもこの歌詞を書いていました。赤字の強調部分は当時と同じです(笑)。

 「ドレス」であれだけ恩師の死を悼んだはずなのに何て不謹慎な高校生なんだ!!そう思われるかもしれませんが、当時私はどうせ大学生活にも馴染めないしろくな社会人にもなれないだろうからこんな風に今死んでしまいたい。そうすれば美しく一生を終えられるから。本気でそう思っていました。

 受験生の今が(結構成績は良かったので)人生のピーク、後は落ちるだけ。それは分かっていたんですが結局自殺することなく大学に進学。入ってすぐに退学して小説を書きながら全国を放浪しようと思ったんですが、結局それも出来ず。今に至るんですね。

 上記の歌詞、今も刺さります。勿論当時で云えばビーイング系米米CLUB、プリプリなどの普通のアーティストも大好きだったんですがやっぱりBUCK-TICKは別腹でした(笑)。

 気が付けば社会に出て20年。公私共に普通の人以上に色々なことがありましたが全く後悔はありません。全ては必然だった、今ではそう思えます。

 死にたいという気持ちも30過ぎたら綺麗さっぱり無くなり、不思議と今の40代が今までの自分の人生の中で最も充実している気がします( ^)o(^ )。昨年の厄年も絶好調でしたよ(笑)。人生って本当に分らないものですよね。

 ただやはり今も死、というものには特別な思いがあります。いわば死とは人生の集大成。この現世での役目を立派に果たした後で死ねたら、きっと素晴らしい世界が待っている。今からそれが楽しみなんです。

 ただそんな素晴らしい最期を迎えるためには毎日を精一杯、世のため人のために生きて、身体の健康にも気を使って自分の人生を燃やし尽くす。そうしなければならない。天寿を全うしないとね。ところが今や人生100年時代。どんどん若かりし日に夢見たゴールが遠くなっています(笑)。

 いやあ今回は我ながら、本当に超特濃のアルバムレビューでした!実はこのアルバム、ずっと最後に秘密のボーナストラック、その名もDTDという曲があるので聴き逃さないでくださいね( ^)o(^ )。ホントに地底の奥深くに広がる別世界のような曲ですが( ゚Д゚)。

 では連休明け最初の日、今日も一日頑張りましょう☀

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