「津田梅子~お札になった留学生」を観て

 皆様、こんにちは。TOSHIXXXです。

 先週金曜日から北京パラリンピックが始まりましたね。ただ残念なことに、ロシアとベラルーシの選手が排除され、そもそも平和の祭典という大前提を、トチ狂った独裁者に全く無視されながらの開催・・・。正直、胸が痛いです。

 そんな中、昨日はウクライナの選手が大活躍でメダルラッシュ。口々に彼等が声にしていた祖国への愛と世界平和。我々は下を向くことなく、ただ現実からは目を背けることなく、しっかりと歩んでいかなければならないですね。

 それでは昨夜放送された、広瀬すずさん主演のテレ朝スペシャルドラマ「津田梅子~お札になった留学生」の感想をアップしたいと思います!

 

 

1.ラスト5分の衝撃

 この物語は、2024年からの5000円札の顔にして、津田塾大学を創設した日本女子教育界のパイオニア、津田梅子の青春時代を描いたものでした。

 正直、他の留学生仲間と違って、広瀬さん演じる梅(梅子というのは後に改称した名前らしいですね)は周りを見下し、ワガママで空気が読めない困ったちゃん。おまけに留学中に大学進学を果たせなかった、学歴コンプレックスまで持っていて。

 そんな尊大な一面が目立ちつつ(多分気質が、お父さん似だったんでしょうね・・・)も、国費留学をさせてくれた日本国に恩返しをしたいという思いは、誰よりも強くて。しかしそれが更なる空回りを生んでしまい、正直、全くこの主人公に魅力を感じていなかったのですが、ラスト5分。

 暗殺されてしまったディーンフジオカさん演じる初代文部大臣、森有礼の言葉で自分を見つめ直すことを選んだ梅。もう一度勉強したい、原点に返りたい。そんな思いで華族女子学校の教職を休職して、再度の米国留学へ。

 その地の大学(ブリンマー大学)で生物学をみっちり勉強し、帰国。一回り大きくなった梅が遂に、盟友山川(大山)捨松、永井繁らと共に津田塾の創設を果たす・・・。ラストはそんな(写真にも残っている)感動的なシーンがしっかり描かれました。

 まあ少し長過ぎた感がありますが、再留学に至るまでの未熟さを描くという点ではこのキャラで良かったのかもしれませんね。

 そして再度の米国留学ではいわゆるリケジョだった梅が作った津田塾は、私立女子大にしては理数系の学部が充実しているイメージだったので、これで謎が一つ解けた気がいたしました。 

 個人的には晩年の原田美枝子さんのナレーションやシーンは蛇足だったかな・・・。そんな気もするんですが、ハイカラな明治の貴婦人の洋装が我々視聴者の目を楽しませてくれて、春の訪れを感じられる作品だったなと感じましたね(*^^*)。

 

2.明暗の別れた女優陣

 このドラマは広瀬すずさんを初め、今を時めく女優さんが多数出演で本当に華やかだったんですが、正直その演技には明暗が分かれた気がします(@_@;)。

 主役の広瀬すずさんは、昨年の「エアガール」に続いて、かなり微妙だったかな・・・。そう思わざるを得なかったですね。

 正直広瀬さんは、現代物で、しかも一般庶民の繊細な内面を表現することにかけては天下一品。そんなイメージがありますので、その対極にある歴史上の人物は全然合わない。

 他局の濃姫の時も感じましたが、そろそろ年齢的にも若手から卒業ですから軌道修正が必要なのではと感じてしまいました(>_<)。

 一方で期待以上に素晴らしかったのが、山川捨松を演じた池田エライザさん。知性に溢れ、思慮に富んだ正真正銘の明治のファーストレディ、捨松を見事に演じ切った!ワタクシはそう感じました。

 今まではどちらかというとマニアックな役どころが多かった池田さんですが、近現代の歴史モノであれば特に、これからも出演したものを観てみたいな~と思いました(*^^*)。

 後は、ワタクシと同い年の内田有紀さん。今回は梅の母親役の初を演じましたが、あのアイドル的存在だった内田さんが・・・と思うと時の流れを感じざるを得ませんでしたね。

 夫の伊藤英明さん演じる農学者 仙の気まぐれとモラハラに悩まされる可哀そうな明治女性。そんな役どころでありながら、最初の教師職での待遇に文句を言う梅を厳しく窘める一面もあって、奥ゆかしさの中にも確かな芯の強さが。

 正に日本の良妻賢母ここにあり。ワタクシは今回の内田さんの演技には深く胸を打たれました(*^^*)。

 他にも今では色んな作品に引っ張りだこの、佐久間由衣さんや宮澤エマさんもさすがの安定ぶりでございましたね~。

 

3.清貧ではなく、清富で行こう!!

 津田梅子が今の日本を見たら、やはりがっくりと肩を落としてしまうんでしょうね(>_<)。

 ジェンダーギャップ指数は先進国で断トツの最下位。非正規雇用の女性、シングルマザーの貧困化は目を覆うばかりで、梅子の目指した経済的に自立できる女性はまだまだ令和の世でも少ない気がします( ゚Д゚)。

 でもやはり歩みを止めることはできない。劇中の政府高官の夫人達による慈善バザーのシーンが印象的でして。

 看護師育成の資金にと催されたバザーで想像以上に資金が集まり、人の役に立つって素晴らしい、楽しかったわね!!と伊藤博文夫人を初めとする皆さんが大はしゃぎしてるんですが、これこそが真の富裕層。衣食住足りて礼節を知る。を地で行く場面だとワタクシは感じたんですね。

 だからこそ、来年度から始まる高校生の金融教育にワタクシ、期待しております💰✨

 仮想通貨やテンバガー株で一発当てて、億り人、理想のFIRE生活。日本を捨てて税金の安い他国に(安易に)引っ越ししちゃいまーす💛

 泣く泣く国を去っているウクライナの方々から見ても、視野の狭すぎる、昨今の我々日本人って、一体・・・。

 そんな風に自分だけ良ければ、自分だけが逃げ切れればいい。それで自分は賢い気に。とんだ勘違いですよね。

 正に今回の再留学前のイケてない梅にも似た、そんな心の貧しい成金、投機家が増えてもこれからの日本にとっては、何にもならない。ワタクシは、心からそう思っています。

 真の豊かさとは何か。津田梅子達が目指した未来のその先を。新型コロナとウクライナ危機で戦後日本の根幹が問われる今だからこそ、確かな道筋を男女の区別なく築いていかなければなりませんよね!新しい5000円札の顔たる津田梅子も、きっとそう望んでいるはずです。

 

 それでは今日はこの辺で。皆様、良い休日を☀

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