ZARDとUru・歌姫伝説再び~坂井泉水さんを偲んでⅢ~刺さるコンテンツ(28)

 皆様おはようございます。TOSHIXXXです。

  今年もこの日がやって参りました。2007年5月27日。ZARD坂井泉水さんがこの世を去って早13年の月日が流れました。そして今、日本のみならず世界各国は、新型コロナウィルスの脅威に晒され、未曽有の危機に瀕しております。

 今回は、そんな中彗星のごとく現れたシンガーソングライター、Uru(ウル)さんを取り上げながら、坂井泉水さんについて語っていきたいと思います。

 

 

1.はじめに

  2020年4月3日。MステスペシャルにUruさんが登場した際、ネットはざわつきました。

 Mステと云えば、生前の坂井さんも出演していた数少ない音楽番組。その時、ガチガチに緊張していた姿は今では伝説として語り継がれていますよね。

 そして同じMステに登場してコメントしていたUruさんも、緊張しまくりの消え入りそうな声で、心を込めて歌うのでよろしくお願いいたします・・・。そんなコメントをされていました。

 デジャブでしたね。正直、容姿も声質も、そもそも音楽性も全然異なると思うんですが、その佇まいに私は在りし日の坂井さんを感じてしまって。

 今までは名実ともにビーイングの後輩でもある倉木麻衣さんこそが、坂井泉水さんの後継者だと信じて疑いませんでしたが、本当の後継者は(ご自身は多分全く目指してもないし、意識してもいないでしょうが)こうして意外な形で現れたのでした。

 Uruさんの最新アルバム「オリオンブルー」は久々にドハマりしている作品になり。料理の時も寝る前にも、暇があれば聴き倒している状態でございます(*^^*)。

 それではこれからそのアルバムの中の代表曲「あなたがいることで」について、少し語らせていただきたいと思います。

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2.コロナ禍の日本に響く「あなたがいることで」

  UruさんっていわゆるYouTubeの「歌ってみましたシリーズ」の代表格みたいな方で。2016年にメジャーデビューされたんですが、それまでは自主製作のカバー動画で活動していたんですよね。

 私の場合は後追いで視聴させてもらったんですが、もう本当にレベルが高くて!!「ワインレッドの心」なんて鳥肌モノでございます( ゚Д゚)。

 かつては敬愛する歌姫のお一人である中森明菜さんも、質の高いカバーアルバムを多数発表されていましたが、それすらもUruさんは超えているのではないか。しかも彼女の場合はまだアマチュアだった訳ですからね・・・。そう考えると、今日のブレイクは必然だったと言えるでしょう。

 そんなUruさんがYouTubeで今年スマッシュヒットとなった「あなたがいることで」をセルフカバーされていて。下にリンクを貼り付けていますが、この動画も本当にいい!!マジで涙腺が緩みます( ;∀;)。

 そしてブレイクしても、こうして自分のホームグラウンドの歌ってみました動画を更新されている事実に、ああこの方は本物だな。自分の歩んできた道に誇りを持っているし、名実共に令和の歌姫になるべき方なんだな・・・。そうワタクシは確信したんですね。

 元々は日曜劇場「テセウスの船」の主題歌だったんですが、このコロナ禍に苦しむ我々の生活に本当に光を与えてくれるような一曲で。

 特に私のようなドラマを観ていない人間には、より応援歌として響いてくる。あのZARD不朽の名曲「負けないで」も、元々は松雪泰子さんが主演していたドラマ「白鳥麗子でございます」の主題歌でしたからね~。

 当初はドラマのイメージを重ねていた人も多いのでしょうが、今ではすっかりそれも薄れ、平成を代表する応援歌として選抜高校野球のテーマソングになり、音楽の教科書にも載る名曲になった。

 この「あなたがいることで」も同じような軌跡を辿るのではないか。それをUruさんも分かっているからこそ、2000万PV超えのMVとは別に今回のセルフカバーを作られたのではないか・・・。ワタクシはそう感じました。

 敢えてここでは書きませんが、歌詞が本当に「皆コロナに負けないで!オールジャパンでこの困難を乗り越えよう」そんなメッセージをダイレクトに伝えてくれています。最高ですね。勿論、私もほぼ毎日聴かせていただいておりますよ(^-^)。


【Official】Uru 「あなたがいることで Self-cover ver.」

3.ZARDとUruに平成と令和の違いを思う

  共に時代を象徴する歌姫のZARDとUru。でもお二人の個性は全然別で。

 坂井泉水さんはアイドル性を多分に纏ったシンガーであったのに対して、Uruさんは宇多田ヒカルさんやSuperflyにも通ずる本格派。やはり同系統という点で云えば、倉木麻衣さんの方が圧倒的にZARD直系だと思います。

 しかし時代を背負うという共通項で云えば、やはりこのお二人が確実にシンクロしてくる。お二人の違いは、ともすれば平成と令和という時代の違いにつながってくる訳でして・・・。ワタクシは常々そう感じております。

 坂井さんは、声質的にもビジュアルにもどこか甘酸っぱさを残していた方で。平成時代は、確かに失われた30年だったのかもしれません。でも、まだまだ平成は高度経済成長期のレガシーに恵まれていた時代であった。換言すれば生活に余裕があり、格差も現在程には広がっていなかった。

 坂井さんが逝去された2007年はまだリーマンショックも、東日本大震災も起こっていませんでしたから。確かに私も被災した阪神淡路大震災では、沢山の人々が傷付きました。でも神戸は見事に復興を果たした。平成(特に前半)はあの明るくて健気で真っすぐな「負けないで」が、充分私達の心に響く時代だったと思います。

 翻って令和はどうでしょうか。

 新型コロナウィルス感染症による、東京オリンピックの延期と、高校野球の史上初の春夏同時中止。広がるばかりの経済格差。地球温暖化が引き起こす、命の危険さえ感じる自然の猛威と食糧危機、水不足。

 ますます進む高齢化。増え続けるニートと中高年引きこもりと貧困女子。頻発する児童虐待。一人の人間を自死に追い込む程のSNSでの誹謗中傷。給食費NHK受信料の不払いの正当化・・・etc. 

 全てがありえないことばかり。しかも決して元には戻れそうにないことばかり。個人的には日本社会は超えてはいけない一線を越えてしまった。そう感じざるを得ないんですね。

 先日テレビで、休校している困窮家庭の子供達に食料を配給している子供食堂のニュースを放送していまして。

 画面の中で、中高生の男の子が小さな妹の手を引きながら、本当にありがたいですと語っていたんですが、その姿に私は涙を禁じえませんでした。

 少年はとても澄んだ目をしていて、聡明そうに見えました。でもそんな彼が手にしていた袋に入っていたのはレトルトカレーカップ麺の山。栄養なんて全然なくて、育ち盛りの子供達には酷な物ばかり・・・。

 どうしてこんなことになってるんだろう。どうして日本はこんなにも(物心共に)貧しくなってしまったんだろう。それは一国民として、一社会人として、私自身も責任を感じてしまわざるを得ない、退廃し衰退した今の日本社会、そのものでした。

 Uruさんの「あなたがいることで」は「負けないで」に比べると、遥かに悲壮感が漂う、暗い歌だと思います。

 でもそこまでじゃないと今の時代には響かない。その事実から、私達は決して目を逸らしていてはいけないと思います。自分さえ良ければいい。自分さえ勝ち組でオイシイ思いができれば、後の人のことなんてどうでもいい。そんな冷たくてさもしい価値観は、平成で終わりにしないといけないんです!!

 でも、オリンピックだってまだ中止になった訳でもないし、若い方を中心に社会貢献度の高い企業に対する投資(投機じゃないですよ)ブームも始まったようですから。個人的には令和の間に、日経平均も過去最高の4万円台に届くと確信しているんです。寄附やクラウドファンディングも、10年前と比べると確実に社会に根付いてきてますしね。

 だから今が踏ん張りどころ。また日本国民全員が適度な豊かさを享受できる社会を、笑顔と優しさが溢れていた時代を、必ず取り戻すことが出来る。いや、取り戻さないといけないんです!!

 関暁夫さんが言うような人間選別やデスノート現象が都合よく起こることはないでしょうから、どれだけ人間の悪意に失望したとしても、それでも私達一人一人が自助努力を重ねて行くしかない。

 そんな決意を胸にしつつ、Uruさんの歌声にワタクシは日々力をいただいておりますよ(^-^)。

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4.今こそ坂井さんの声が聴きたい!!

  どんな人にも平等に訪れる死。友達の数や恋愛や社会的地位等は、各個人で嫌という程格差が見られますが、死だけは誰にでもただ一度きり。人生最後の大イベントだと私は思って今日まで生きてきました。

 そして人によっては死期にも明確な意味を感じることもあって。例えばX JAPANのhideさんはノストラダムスの大予言の成否を知る前の1998年に亡くなり、最近ではノムさんこと野村克也さんはコロナ渦で春夏の高校野球が中止になることを知らずに亡くなられましたよね。

 そう考えると坂井泉水さんも、まだ平成が悲惨になる前に逝去されたので、今の時代に対しては役目を終えられている。そう結論付けてしまいたくなるんですが、私は今だからこそ坂井さんの歌声を聴きたくなるし、それこそUruさんのことをどう思いますか?って、質問してみたくなるんですね。

 敢えてここで名前は出しませんが、今ビーイングからZARDのトリビュートバンドがデビューしていて。ほぼZARDのカバーばかり歌っている(歌わされている?)ガールズバンドなんですが、天国の坂井さんは、彼女達のことを果たしてどう思っているんでしょうか・・・。そんなことも時々考えてしまいまして。

 デビュー前のUruさんのカバーのように、意味のあるトリビュートであってほしいな。間違っても過度にZARDを崇めるばかりの、親の遺産で生きるニートみたいなアーティストにはなってほしくないな。

 いい意味で自分を踏み台にしてほしい。どんなに洗練されたカバーより、オリジナルの作品には無限の価値があるから。自分の言葉と表現を何より大切にしていた坂井さんだからこそ、きっとそんな言葉を後輩と、ビーイングに贈るのではないでしょうか。

 彼女達も来月にはようやくオリジナルの新曲を出し、自分達の一歩を踏み出す予定です。坂井さんは彼女達のこれからを、厳しくも優しい目で見守り、応援してくれるでしょう。

 プリプリや少年ナイフみたいな伝説にはなれずとも、確かな軌跡を残すガールズバンドに。是非Uruさんに追い付け追い越せで頑張ってほしいですね( ^)o(^ )。

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 ・・・いかがだったでしょうか?今年も坂井さんには追悼の、そしてUruさんには令和の歌姫としての期待を込めて花を贈りたいと思います。今年も長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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