令和に聴きたいビジュアル系!!LUNA SEA「MOTHER」~刺さるコンテンツ(26)

 皆様、おはようございます!TOSHIXXXです。

 1月も中旬に入り、冬ドラマも本格化♬ 今のところ個人的には日テレ日曜ドラマの「シロでもクロでもない世界で、パンダが笑う」がお気に入りでございます(*^^*)。

 元々好きな世界観に、我らが白石聖さんも最後の最後で電撃参戦してくれて大いに楽しませてもらってる訳なんですが、ビリー・アイリッシュの主題歌もいいですね~。

 あの暗くてシュールだけれど一貫して静かなサウンドが、不穏なムードだけで結局何も大したことは起こらない現代の世界を象徴している気がいたします。正に時代の鏡、ですね(*^^*)。

 という訳で、ビリー・アイリッシュの記事をこのブログでアップするはずもなく(笑)、今回も相変わらずの懐かしのビジュアル系特集でございます。今回のクールで感想をアップしたいドラマが、どれも開始が遅いもので・・・。

 単なる穴埋め企画でなく、久々の刺さるコンテンツシリーズということでお付き合いいただければと(苦笑)。

 それでは本日はLUNA SEAの出世作にして最高傑作の「MOTHER」(1994年10月26日発売)を取り上げたいと思います!!

 

 

1.はじめに

 この頃はビジュアル系ブームの幕開けだったと言いますか。

 前作「EDEN」のスマッシュヒットから、今作で一気にブレイクしたLUNA SEA。Mステ他のテレビ出演も当たり前になり、東京ドームのライブは5分でソールドアウト。 

 オリコン最高位こそ2位どまりでしたが、70万枚以上のメガセールスを記録し、当時大学生だったワタクシの周りでも、いわゆるJ ‐POP好きの人達も普通に視聴していた記憶があります。

 まあ今のビジュアル系って、悲しいかな、どう贔屓目に観ても絶対ブレイクしないだろうというバンドしか出てきませんからね・・・。曲は先人のパクリみたいのばかりだし、メンバーは完全にホスト化(または地下アイドル化)してるし、歌詞も非現実や耽美じゃなくて、メンヘラみたいなのばかりですから(>_<)。

 昔はそれこそ太宰治三島由紀夫的退廃の美学だったのが、今は単なるひきこもり5080問題みたいになっちゃったかといいますかね・・・。社会問題は、芸術にはならない。美しくなければ、ビジュアル系とは言えない。長年シーンを見守ってきたオジサンからすると淋しい限りです。

 そう考えると本当に90年代だけが、ビジュアル系の最初で最後の黄金期でございましたね( ;∀;)。それではぼやくのもこれ位にして(苦笑)、このアルバムの全容に迫っていきましょう!!

 

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2.「MOTHER」全曲ミニ紹介

 

1.LOVELESS

 ”LOVE・・・”とRYUICHIが語り掛ける冒頭が印象的です。

 この曲の中に頻出する「LOVELESS LOVEMAKING」つまりは愛の無いSEX。当時は援助交際とかブルセラショップとかが社会問題になり始めた時期で。

 性をお金に換える。そんな価値観が現れ始めた世相を上手く切り取り、問題提起していますね( ;∀;)。当時はバブルが崩壊して、いわゆる失われた30年に日本が突入してしまったことに、ようやく世間が気付いた頃でもあったかなと。

 性のカジュアル化。まあ今では普通のOLさんとか学生さんが、バイト感覚で週末にこっそり風俗やってるなんてことも、そんなに珍しくはなくなってしまいましたけどね・・・。

 

2.ROSIER

 3rdシングル。音楽史に名を刻んだバンドには必ず存在する、エポックメイキングな一曲。LUNA SEAの場合は文句なしにこの曲ですよね!!

 当時もイントロを聴いただけで大ヒットを確信しましたが、実際オリコン初登場3位で、ロングセラーを続けました。

 それまではロック好きな人間は知っている、そんな存在だったLUNA SEAがこの曲のヒットで、一気に音楽番組にも登場するようにも。アップテンポ曲の名手、ベースのJさんならではの最高にノレる一曲でございます(*^_^*)。

 

3.FACE TO FACE

 初期LUNA SEAのミディアムテンポな曲って本当に独特で。

 極言すれば本当にテンポが遅いだけで、情緒感は皆無(笑)。過去作の「MOON」「LASTLY」なんかにも同じような印象を持ってたんですけどね・・・。

 ただ重低音でしっかり作り込んでいるアレンジは、このアルバムでもピカイチ。したがってコピーバンドの練習曲には最適なんですが、一般リスナーにはさすがにマニアック過ぎますかね(*´Д`)

 

4.CIVILIZE

 一転して今度はアップテンポ。今作のアップテンポ曲は敢えてアレンジを粗くして、ソリッド感を前面に出してます。

 

5.GENESIS OF MIND~夢の彼方へ~

 8分にも及ぶ壮大なバラード曲。夭折した仲間に宛てたレクイエムとして作られた一曲です。

 ただこの曲もあまり聴きなれない質感を持っている。独特です。

 その理由は、やはり原作者のSUGIZOさんがクラシックの素養(バイオリン奏者でもありますし)を持っている所が大きいんでしょうね。

 プログレ的。そう言ってしまえばそこまでなんですが、邦楽バンドでここまで西洋的なサウンドとメロディーラインで書ききれるのは本当に稀有なことだと思います。

 例えば尺的にもプログレ的という点でも共通点の多いディルアングレイの「アクロの丘」であれば、日本人の琴線に刺さりまくる切ないメロディーライン全開で、さすがYOSIHIKIさんプロデュースだなと思ったりするんですが。

 この曲もシンフォニック版で聴くと、実に綺麗なメロディーラインであることを再確認できます。ただどこまでも乾いた印象の一曲ですね・・・。

 

6.AURORA

 RYUICHIこと河村隆一さんの理想の女性像は無垢な少女。そう以前のブログにも書きましたが、その美学が炸裂しまくっている一曲です。

 天空に浮かぶ世界の住人のように、近付けない程美しく、穢れの無い女性。そんな存在にRYUICHIさんがいつまでも叫び続けております(*^_^*)。中々最近の有名人ではそんな人はいないな~、そう思っていたんですが最近の女優さんでは浜辺美波さんがピッタリくるかな。なんてことを考えました。

 果して同意していただけるかどうか、是非河村さんに聞いてみたいですね(笑)。

 

7.IN FUTURE

 この曲も粗削りなアップテンポ曲。

 しかし決してそれはいい加減に作っているということではなく、シンプル故に演奏者、特にリズム隊のレベルの高さが浮き彫りになります!!

 真矢さんの迫力あるドラミングは勿論ですが、個人的にはJさんのベースラインにいつも聞き惚れてしまいますね~。TAIJIさん程自己主張はしてないんですが、曲の流れの中ではっきり浮かび上がる低音。若い方でもベースを弾く方は絶対にこのアルバムは聴いておいた方がいいですよ!!

 

8.FAKE

 LUNA SEA得意の前曲からのインターバルなしで始まる一曲。

 前作「EDEN」の「STEAL」~「LAMETABLE」でも同じ流れはありましたが、やや変拍子的な要素があるこの曲を後にしているのが前作とは逆でございます。

 さすがですね。いつも事前に曲順もしっかり議論して、決定してからレコーディングに入るというLUNA SEAの構成力の面目躍如。

 このややじとっとしたアップテンポ曲が幕を閉じたところで、一気に「TRUE BLUE」になだれ込む流れも最高でございます!!

 ただいい料理(曲)を並べるだけではお客様を満足させられない。正に三ツ星レストランでフルコースを提供する神シェフ並みのこだわりを、LUNA SEAの皆さんは感じさせてくれますね(*^_^*)。

 

9.TRUE BLUE

 4thシングル。記念すべき初のオリコン1位曲。ノンタイアップで獲得したという所にも当時のLUNA SEAの勢いを感じます。

 テーマは一見失恋のようで、私的には現代人の孤独を表現しているのかと。今と違って、外交的でない人間はそうそう簡単に誰かと繋がれない時代でございまして。

 当時はPCではウィンドウズ95すら発売されておらず、誰もガラケー、持ってなかったですからね( ゚Д゚)。現在の様におひとり様や草食系男子という肯定的な言葉もなく、私を含めたリア充でない若者には実に厳しい時代でございました(苦笑)。

 

10.MOTHER

 後にシングルカットされた、アルバムのリード曲にして初期LUNA SEAのバラード曲の最高傑作。

 カラオケで歌うと「眠い」と敬遠されることは必至ですが(笑)、荘厳さを極めたこの曲は他のどのビジュアル系バンドにも決して真似ができないと思います。SUGIZOさんのギターとバイオリンが正に我々を浄化してくれます。

 河村隆一さんソロデビュー後の再始動後、「I for  YOU」が発売された時、LUNA SEAってちゃんと売れ線のバラード作れたんや!!と妙に感心した記憶があります(笑)。(その時にはまさか数年後に、切なさと神聖さを兼ね備えた文句なしの神曲バラード「gravity」が誕生するとは思いもしませんでしたが・・・)

 そんなPOPなセンスも持ちながらも、敢えてこのMOTHERみたいな難しい曲を作っていたことに、時代の華としての覚悟を感じ、ますます彼等をリスペクトしましたね(*´Д`)。

 

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3.再結成ブームに対する懐疑

 最後に、このLUNA SEAを含め、最近解散したバンドが次々と再結成している現状に少し私見を。

 やはり、キャリアを断絶させてしまうと、復活後、以前の輝きを取り戻すのは難しいのかなと(>_<)。

 LUNA SEA再結成後に大阪城ホールのライブに足を運んだことがありました。演奏も河村さんの声も本当に円熟味を増していて良かったんですが、やはり懐メロ大会になってしまってました( ;∀;)。当時の最新作からも、ちゃんと曲を披露してたんですけどね・・・。

 その点ではヒムロックこと氷室京介さんはやはり凄い方なんだなと。東日本大震災のチャリティーイベントで布袋さん達が熱望していたにも関わらず、BOOWYの一夜限りの再結成さえ拒否した。

 ちょっとヒムロック、さすがにそれは狭量じゃね?そんな外野の声も少なからずありましたが、やっぱり氷室さんはBOOWYを本当に大切に思っていたからこそ、伝説のまま、ファンの記憶の中だけにしまっておきたかったんでしょうね。

 これぞ、漢の美学だな、まあ結果的にCOMPLEX再結成位で丁度良かったかな~と今では思えますけどね(笑)。

 だからLUNA SEAもやはり以前の輝きって、もう取り戻せない気がするんですね。 

 後はラルクGLAY、我らがBUCK-TICK等のずっと活動を続けてきているバンドと同じように結成○○年、とかメジャーデビュー○○年とかレコード会社等が軽々しく宣伝するのも止めていただきたいかなと。

 例えばキングカズと伊達公子さんはどちらもスポーツ界のレジェンドですが、やっぱり私はキングカズさんの方に共感するし、形だけかもしれませんが今年J1出場する瞬間は是非動画で拝見したいと思ってますからね( ^)o(^ )。

 そんな訳で、最後はやっぱりノムさんばりにぼやいてしまいましたが(笑)、この「MOTHER」は四半世紀経った今も輝きを失わない、ビジュアル系のみならず日本音楽史に残る名盤でございます!!

 まだ聴いたことのないお若い方も是非手に取ってみてください。きっと新しい世界が広がりますよ(*^_^*)。

 それでは今夜はこの辺で。皆様、良い夢を☆彡

 

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