「春に聴きたいビジュアル系!!その2~ルアージュ「ROUAGE」~刺さるコンテンツ(15)」

 皆様おはようございます!TOSHIXXXです。

 かなり体調の方は回復してきましたが、まだランニングも筋トレもままならない状態。また来週末から出張で帰阪するので、本格始動はこの地に戻ってくる4月末からかなと( ゚Д゚)。

 今はFP2級の勉強と仕事に専念して無理のない生活を最優先。焦りは禁物。そう言い聞かせています。

 では前回全く反響が無かった(苦笑)、「春に聴きたいビジュアル系」企画の第2弾です。今回は期待されながらもブレイクしなかった悲運の名古屋系バンド「ROUAGE」(ルアージュ)を取り上げたいと思います!!

 

 

1.ブレイクできなかったポスト黒夢

 名古屋系。ビジュアル系好きの方ならこのキーワードは当然ご存知ですよね(*^^*)。

これはインディーズ時代に名古屋を拠点にしていたビジュアル系バンドの総称。ダークな音楽性が持ち味です。

 代表格としては云わずとしれた黒夢。他にもそこそこ名が知れたバンドとしては、Laputa(アニメ金田一少年の事件簿OP「meet again」がスマッシュヒットしましたね!)や、ガクトの在籍したマリスミゼル等と共にビジュアル系四天王と評された、ファナティッククライシスなんかが有名ですね。

 ルアージュの活躍した時期は丁度それらのバンドに挟まれた時期になります。メジャーデビューは1996年。

 一時はMステにも出演し、CDTVのEDなどのタイアップもそこそこ付いてたんですが結局一度も音源はオリコンTOP10入りすることなく、2001年3月に活動停止となりました( ;∀;)。

 個人的にはキャッチ―なシングルを作ることが出来なかった。そこが売れなかった最大の原因だと思います。

 黒夢「for dear」、LUNA SEA「ROSIER」、GLAYyes,summerdays」、そしてラルクの「flower」・・・。これらはイントロを聴いただけでおお!とハートを鷲掴みにされてしまう一曲。実際これらのシングルリリース後、上記のバンド群は大きな飛躍を果たしました。

 そんな曲を一曲でも作れていたら、このバンドの歴史は大きく変わっていたと思います。演奏技術は正直微妙でしたが、レベルの高い楽曲は沢山作っていたと思うので。

 後はメジャーになってからインディーズ時代のダークさを消してしまったのが痛かった。黒魔術をコンセプトにしたダークさが本来のマニアックさ(キャッチ―になり切れない弱点でもあると云えます)を上手く中和させてたんですが(>_<)。

 と、いう訳で私のおススメは彼等のインディーズ時代のアルバム「ROUAGE」ということになります。では早速全曲ミニ紹介していきましょう!!

 

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2.「ROUAGE」全曲ミニ紹介

 

1.シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ

 ダークなイントロが印象的なSE。浮かび上がるようにボーカルKAZUSHIさんの「死んでしまえばいい」の台詞が響き、2へと突入します!!

 

2.Function

  2曲続けてのSEなんですが、こちらはトランス系。音の粗さはインディーズだから仕方がないんですが、逆にソリッド感が増していると感じます。

 

3.めざめのうたげ

 アップテンポなノリは続きます。スカスカの演奏ですが、これを聴いていると正にライブハウスでのジャンプするオーディエンスの映像が浮かびます。

 

4.Cry for the moon

  初期の代表曲。シングルにしてもいい位の一曲で、彼等のライブでは最後まで良く演奏されていました。歌詞の世界観、メロディー、どれをとってもビジュアル系の王道をいく一曲です。

 

5.Mist of Tears

  後述します。

 

6.hide and seek

  ダークでセクシーなアップテンポナンバー。隠れた名曲です。是非一度ご視聴いただきたいですね。

 

7.ark

  こちらも事実上のSE。実はボーカル入りの曲だけならこのアルバムは、ミニアルバムになってしまう気が・・・(笑)。

 

8.Pa・ra・no・i・a

  「パラノイア・モザイーク!!」とラストでKAZUSHIさんが絶叫する一曲。しかしまだまだ可愛らしい。この手の叫びがスクリーム化するのはやはりディルアングレイの京さん以降ですね(*´Д`)。

 

9.More Trance

  タイトルにこの曲の意味が集約されています。確かにもっとトランス系を!!みたいな1曲です。でも正直このアルバムの中で一番存在感は薄い気が(笑)。

 

10.Creattion ー審判ー

 不気味なミディアムテンポ曲。歌詞は聖書の最後の審判なんですが、サウンドが真夜中の古城で怪人がずっとダンスしているような感じで全くマッチしておりません。

 後はラストにボイスチェンジャーを使ったような男の声が。「ここはどこ?僕は誰?貴方は・・・?」とぼそぼそ呟いているんですが、その声が変質者みたいで最高に気持ち悪いです(笑)。

 

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3.「Mist of Tears」徹底紹介

 ではまずこの曲の歌詞をご紹介いたしましょう。

 

 「Mist of Tears」

 (作詞:KAZUSHI 作曲:KAIKI)

  

  なぜ駆り立てる ああ時よ 

  今仮はじめの愛 壊れ

  なぜかき立てる 夢 「そばに・・・」

  今叶わない もう すべて

 

  「きっとまた微笑(わら)いあえる」

  つぶやき 縛られ

 

  何故変わらない ああ 孤独 

  今垣間みる 愛 嘘へ

  なぜかこつける 夢 見せる

  今帰せない もう 心

  

  「きっとまた微笑(わら)いあえる」

  つぶやき 縛られ

  なだらかな道の先に 行き場を無くした僕が

   

  どれくらい哀しめば 歩き出せるだろう

 

 ・・・本当に暗い歌です。だって「涙の霧」ですよ!?多分これは失恋の歌なんでしょうね。ただ私はこの曲を春に聴きたくなるんですね。「なだらかな道の先に」なんて情景、正に春の夕暮れにピッタリだと思いませんか?

 ルアージュデカダンス。これって引きこもりの暗さ、自己否定の暗さ。世の中に対する絶望。そういうものに起因していると思うんです。基本的に内省的で優しい。BUCK-TICK同様、他者に対する攻撃性がない。ただ悲しいかな、BUCK-TICKの世界の主人公達ほどこちらは女性にモテていないんですが(苦笑)。

 誰も傷つけない、一人デカダンス。この曲は名曲ですよ!!最も暗いビジュアル系の名曲と云えば黒夢のインディーズ時代の「鏡になりたい」(ミニアルバム「生きていた中絶児」に収録)がありますが、こちらの方は女の怨念みたいなものが前面に出てて、非常に気持ち悪い(>_<)。

 そもそも今どきの女性は過去の男に執着なんてしないし、ストーカーと云えば専ら元カレばかりだし(笑)。そういう時代背景からはリアリティもどんどん薄くなってきてますかね・・・。

 とにかくこの一曲を聴くためだけにこのアルバムを手にしても損はない。そう断言できる名曲でございますよ!!

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4.悲運のバンド。でも私は好きだった

 メジャーデビュー曲「Queen」を聴いた時。ああ、こりゃダメだな。レコード会社に言われて一生懸命ポップな曲を作ったんだろうけど、それでもマニアック臭が消えず、そもそもインパクトがなさすぎる・・・・。その予感は当たり、残念ながらルアージュはブレイクしませんでした。

 格好悪いから敢えて売れ線の曲は書かない。そういうグループも多いと思うんですが、彼等の場合はレコード会社の言うことも聞いて早々にダーク路線も捨てたのに、肝心のキャッチ―な曲が作れなかった。これは正に悲劇でした。

 メジャーデビュー後の彼等の曲を一言で表すと「惜しい!!」なんですよね。ただこれが一番大事。ダークさを失い、単にマニアックなだけの歌になってしまったら普通のJーPOPファンは聴いてくれないですよね(>_<)。正直演奏力もKAZUSHIさんの歌唱力もメジャーシーンの平均より下だったと思いますし。

 ただその独特さのために今でも心に残る曲があるのも事実です。特に大好きなのがバラード曲の「月の素顔」。こちらもマニアックなので「アクロの丘」みたいに胸にぐっと迫る切なさは皆無なんですが、何かいいです(笑)。是非YouTubeで検索してみてください。

 後はボーカルのKAZUSHIさんは本当に逸材だったと思います(*´Д`)。ヘアスタイルから絶対意識してたと思うんですが、BUCK-TICK櫻井敦司さんにも引けを取らないイケメン!!背もそこそこ高いし、いい男っぷりでございます。

 しかもルアージュのメンバーはビジュアル系バンドにありがちなファン食いを決してしなかったことでも有名なバンドですので、音楽の神様は残酷だなと。まあ素行のいい悪いはブレイクには関係しませんからね・・・。

 でも彼等はファン一人一人を大切にしていたし、最近の某グループのようにVIP席と称して超高額なシートを(ファンからすれば価値はあるんでしょうけど)売りつけることもしなかった。今は音楽活動から引退されたメンバーの方もいるんですが、第2の人生で輝いていてほしいなと強く思いますね(*´Д`)。

 以上、春に聴きたいビジュアル系。第2弾でございました!!それではそろそろ部屋の掃除でもしたいと思います。皆様も良い休日を☀

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