「1942年のプレイボール」を観て

 皆様おはようございます!TOSHIXXXです。

 今日は去る8月12日にNHKで放送された「1942年のプレイボール」を録画で観ましたので、遅ればせながら感想をアップしたいと思います。

 

 

1.はじめに

 この物語は戦前~戦後すぐにかけてプロ野球で活躍した野口4兄弟の物語です。全員が愛知の中京商業(現:中京大中京高校)を卒業し、当時は職業野球と言われていたプロ野球で活躍します。

 その中でも特に有名なのが野球殿堂入りもした元祖二刀流(高校野球の前身の中学野球でも大活躍しました)次男野口二郎投手(1919年~2007年)です。

 黒縁眼鏡がトレードマークの、見た目的にもインパクト大の剛腕投手で、野球好きな方なら皆さんご存知ですよね( ^)o(^ )。

 この方は戦後も活躍され、引退後も長くプロ野球の発展に尽くされました。今回はその二郎さんを主人公に、三男の昇さんが兵役で招集(残念ながらその後フィリピンで戦死)された1942年に行われた職業野球の1試合までを今作品では描いています。史実も混ぜ合わせたフィクションドラマで、実に見応えのあるドラマでした。

 

2.実力派が揃った俳優陣も最高!!

 今作の主人公、野口二郎さんを演じたのは太賀さん。芯のある心優しい剛腕投手を熱演していていい俳優さんだなと思ったんですが、正直今まで知りませんでした。

 ググってみたら、あの俳優の中野英雄さんの息子さんだったんですね( ゚Д゚)。中野英雄って誰?と若い方は思うかもしれませんが、我々アラフォー世代で知らない人間はいないですよね。木曜劇場最大のヒット作「愛という名のもとに」チョロ役でお馴染みの演技派俳優さんです。ちょっと感じは違いますが今なら濱田岳さんみたいなポジションだった方と云えば少しは分かっていただけるでしょうかね。

 いずれにせよ、さすがは中野英雄さんのご子息、野口二郎さんになり切っていましたね( ^)o(^ )。

 他にも長男の野口明役を演じた勝地涼さんも凄く良かったです。どちらかと言えばコミカルな演技が代名詞だと思うのですが、今回は静の演技で大家族をまとめる長男役を見事に演じていましたね。二郎さんも兄ちゃんのことを心から慕っていることに納得できる存在感でした。

 最後はその明さんの婚約者(最後はめでたく結婚しましたね)役の忽那汐里さん。今一つブレイクしきれていない感はありますが、私は好きな女優さんですね。

 今住んでいるところの近くの串本町を舞台にした(トルコのエルトゥールル号の話ですね)映画「海難1890」でも存在感を出してましたし、少し古い所では「世にも奇妙な物語 2012年春の特別編」で放送された「試着室」という話の主人公を演じていて私はこの作品が今でもお気に入りのトップ3に入るくらい好きなんです(正直内容を覚えていない話の方が多いですが・・・)。 

 他にも両親役のでんでんさん、宮崎美子さんを始め皆さん実力派揃いで大したエピソードは無くても重厚で見応えたっぷりなドラマを楽しむことができました。

 

3.平和への思い

 決して反戦一色という作品ではありませんでしたが、この作品を観ると改めて平和の大切さを考えさせられます。

 二郎さんがお兄さんの明さんに「皆戦争なんかやめて野球をずっとやってりゃええのにな」と語っていた台詞。この台詞こそがこの作品を象徴していたように思います。

 ただ平和を守るためには国家の主導者があくまでも平和を志向する、その姿勢が無ければどうにもならないですよね。反戦派だった二郎さんに比べて弟の昇さんはこんな世の中でいつまでも野球だけやってええわけない、俺はお国のために兵役に行く。これも当時の世相からいえば至極全うな価値観(というか大多数がこう)ですよね。

 だからこそこれからを生きる私達は先の大戦を忘れてはいけないですよね。

 それと後は個人で何ができるのかと言われればそれまでですが、世界から戦争を無くすには結局のところ、世界から貧困を無くすしかないですよね( ;∀;)。

 先の大戦も昭和恐慌に日本が追い詰められた故のことだった。今世界で暴れまわっているイスラム国も、元は貧困層が生きていくためにああした武装勢力になっているわけですから。

 資源の問題も環境問題もありますが、世界中で衣食住が満たされさえすれば、わざわざ他の人(勿論自分達も)を傷つけ、苦しめる戦争をしたいなどとは誰も思わなくなるはずです。

 昨日も北朝鮮のミサイル発射が世間を騒がせましたが、あの国も中国のように経済発展すれば穏健化してくる(勿論軍備費も増強はするでしょうが)のではないかと思います。貧しい狂犬は吠えることしかできない。人間も国も、豊かになれば思慮分別が付いてくるのではないでしょうか。

 作品の感想からは逸れてしまいましたが、これからの技術革新とAI社会が世界平和を実現してくれることを祈るばかりです。

 

4.今とは全然違う野球観

 今作は平和へのメッセージを伝えていましたが、他にも現代の野球と当時の野球がいかにかけ離れていたかが分かります。

 プロ野球でも連投が当たり前、作中でも二郎さんが一人で延長25回まで投げてました( ;∀;)。

 これを観ると少し今のプロ野球は過保護すぎる気がしないでもないです。ただ昔の野球で140キロ出す投手なんていなかったでしょうし、バッティング技術も今とは比べものにならない位低かったでしょう。びっくりしたのが当時の職業野球は、どちらかと云えば卑しい職業とされていたことですよね( ゚Д゚)。

 今風にいえば当時の職業野球は完全なブルーオーシャン。ところが今は毎年「崖っぷちの男達」が高視聴率を取るように、プロ野球は超競争社会。ステイタスが上がったことにより完全なレッドオーシャンになってしまいました。

 特に投手は求められる球速と球種が戦後すぐとは比べ物にならない位に増えた訳ですから、体に掛かる負担が当時とは比較にならないんでしょうね。

 まあそれでも、今は平和な環境で思いっきり野球ができる。そして私達も思いっきり応援が(今年も阪神はダメでしたね・・・)できる。今の方が格段に幸せで恵まれているのは間違いないですよね!!だからこそ私達は感謝とこの社会を守っていく心構えを今一度再確認したいですね。

 見逃した方は近い内に再放送もあると思うので是非観てほしいです。ホントに必見ですよ!!2017年の残り少ない夏に響いた「1942年のプレイボール」でした。

 それでは皆様、残暑に負けずに今日も一日頑張りましょう☀

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